人材マネジメントの各種制度の有効性をデータに基づき考察

業種や企業規模を問わず、ビジネスにおいて現場に立つのは人です。人をどのようにマネジメントすれば、企業や組織の目的を達成できるのかを研究するヒューマン・リソース・マネジメント(HRM)の分野を専門にしています。具体的には、採用、給与報酬、評価といった制度のあり方や有効性について、数百社のサンプルデータなどを元に、エビデンスに基づき研究に取り組んでいます。業績向上や離職者低減に結び付く制度の設計方法など、実務に有益な情報を社会に提供したいと考えています。
例えば皆さんが受験やアルバイト採用で経験する面接も研究対象の一つです。面接官が候補者に何を・どう質問すれば、組織として本当に求める人を採用できるのか。考える上では、経営学だけでなく心理学や社会学などの理論も関係してきます。異なる領域の理論を組み合わせて事象の理解を図る点も、HRM 分野の特色と言えます。人の心理や行動に関心がある人にとっても、学びがいのある分野でしょう。メディアの情報や周囲の人の言葉を鵜呑みにせず、エビデンスを軸に物事を見て考え、自分なりの評価を下す力を磨いてほしいと思います。
将来どの道に進んでも、世界のどこで仕事をしても、HRMの要素は必ず伴います。研究分野としても発展ただ中であり、私自身もまだ分からないことだらけです。卒業生には、社会に出ても学び続け、その学びをビジネスの現場に当てはめ判断する経験を通して、知識を自分の血肉にしてほしいと願っています。