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教員メッセージ

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身の回りには固定概念を覆すような発見があふれている

「よく知っているようで思いがけない、見慣れないけどありうるかもしれない」モノやコトを作るのが、私の研究テーマです。
技術の力によって、誰もがよく知っているモノやコトの、別の在り方や潜在的な可能性を示したりすることと、あまり身近ではない現象や特性に関して、少し手を加え、ありうるかもしれないと思える機能や価値を示すことの、二つの領域に取り組んでいます。例えば、物体に半透明のものを覆いかぶせて、3Dスキャナでスキャンすると、物体の表面が覆ったものに貼りついたようなデータが得られます。これは本来、3Dスキャナのバグですが、この現象を活用して物体の抜け殻のようなものを作る技術と作品が生まれました。一見、アートのようですが、モノらしさについて考えるきっかけになれば心理学に近く、3Dスキャナの新しい使い方を発見したというエンジニアリングの側面もあります。このように、研究は一つの専門領域だけでなく学際的なアプローチで進めることも多く、その都度さまざまなことを調べ、学びながらフレキシブルに進めています。現在、高校生のみなさんは机上で勉強をすることが多いとは思いますが、ぜひ町の中や自然の中に出かけてみてください。そこには、自分の固定概念を覆すような発見がたくさんあるはずです。人工物でも自然物でも、いろいろなものを観察して、自分が面白いと思ったものを言語化する練習をすると新たな発見をしたり、考えたりすることが得意になるでしょう。この力はどんな領域に進んでもきっと役に立ち、毎日がすごく楽しいものになるのではないかと思います。

Profile
橋田 朋子 Hashida Tomoko
基幹理工学部 表現工学科 教授

東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了、同博士課程単位取得退学。博士(学際情報学)取得。
東京大学IML 特任研究員、同大学大学院情報理工学系研究科特任研究員、早稲田大学基幹理工学部表現工学科専任講師、同准教授を経て、2021年より現職。
専門はメディア技術・表現。

※掲載情報は2023年度内の取材当時のものです。

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