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教員メッセージ

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教育を起点に社会や人生について広く考えてみよう

「教育」と聞くと「学校」をイメージする人も多いのではないでしょうか。しかし、教育や学習は、学校だけにみられる現象ではありません。多くの社会人が卒業後もなんらかの方法で学び続けています。そしてこうした取り組みは、長寿化や技術革新の進展を背景に、さらに活性化すると考えられます。私が所属している生涯教育学専修は、小・中・高での学びに加え、家庭や地域、図書館や博物館、大学、企業などでの学びも扱い、人の成長を幅広く捉えようとするところに特徴があります。また、ジェンダーや多文化教育といった視点も大事にしています。
私が担当している3 年次の必修授業「生涯教育研究」では、1、2 年次までに得た「教育とは何か」「教育は、社会からどのような影響を受けているか」「大人たちは実際にどのように学んでいるのか」といった気づきを振り返ったうえで、早稲田大学エクステンションセンターの講座を企画してもらっています。具体的な講座を企画することで、理論と実践の往復ができ、理解を深めることができるからです。
強調しておきたいのは、教育は社会からの影響を受けながらかたちを変えていくところがある一方で、逆に教育が社会を変えていく可能性もあるということです。たとえば、いまの日本で私立大学を卒業するには、授業料だけで400~500万円かかりますが、これが北欧のように税金で賄われ、ほぼ無償になったらどうでしょうか。格差問題解決の糸口となるだけでなく、多くの社会人が大学で学ぶようになるとも考えられます。教育を起点に社会や人生を考える。大変興味深く、刺激的なテーマだと思います。

Profile
濱中 淳子 Hamanaka Junko
教育学部 教育学科 教育学専攻 教育学専修 教授

東京大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。リクルートワークス研究所研究員、大学入試センター研究開発部教授、東京大学高大接続研究開発センター教授を経て、2019年から現職。専門は教育社会学(高等教育論)。

※掲載情報は2021年度内の取材当時のものです。

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