蓄積されたビッグデータから社会に役立つ新しい価値を創造
IT 技術が発展した現代社会では日々、多種多様なデータが収集・蓄積されています。ビッグデータやリアルワールドデータとも呼ばれるこうした膨大なデータは、それ自体は数値や情報の集まりであって何も語りません。このデータを活用できる状態に整え、分析し、語らせるのがデータサイエンス・AIという学問分野です。
数学や統計学、コンピュータサイエンスなどの学際的な知識を用いてデータを解析し、社会に新しい価値をもたらす活用方法を追究します。これまで統計学では、特定のテーマについてアンケート調査などを実施してデータを集め、それを基に母集団の特徴を統計的に推測してきました。これに対しビッグデータ時代の今は、膨大なデータが先にあり、そこに潜在する情報をデータサイエンスの力を駆使して明らかにしていくのが従来との違いです。データの解析結果を、例えば個人の生活の質の向上やパフォーマンス向上に活かすなど、応用の可能性が極めて大きいことも面白さといえます。私が現在取り組んでいることは、医療分野におけるデータサイエンスの応用です。病院の診療データや健康診断データなどを基に、さまざまな数値間の因果関係を解析したり、病気に寄与する危険因子を特定したりすることで、個々人に最適な健康マネジメントの提案に繋げることを目指しています。現代社会においてデータは、それなしでは合理的な意思決定は不可能なほど、欠かせないものです。国際教養学部が提供する多岐にわたる科目群も、どれもがデータサイエンス抜きには語れません。将来どの分野に進んでも必ず役立つデータサイエンスの知識やスキルを、自身の関心ある分野の学びと組み合わせて深めてください。