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教員メッセージ

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生物学の世界は教科書の記述内容を、自分の手で塗り替えることができる魅力にあふれています

基礎を徹底させて境界領域に視野を広げていく
生物学の魅力の一つは、基本的に思える事実や現象においてさえ、まだ解明されていないことが数多く残っていることです。高校の教科書で正しいとされていたことが、新しい研究によりあっさり覆ることもあります。まだ確立されていない学問分野ということなのかもしれませんが、だからこそ、新たな真実を世に問う事ができる魅力があります。私の専門である光合成について言えば、研究対象の広がりも魅力の一つです。私の研究は細胞や分子のレベルが中心ですが、物理学に近い量子・原子レベルでの研究から地球環境レベルの研究まで、光合成研究が扱う対象の大きさと時間のスケールの幅は極めて広いのです。

生物学をはじめとする科学を学ぶ上で最も重要なことは、それぞれの分野の根本原理を理解することです。学生には1 年〜 2 年で基礎を徹底的に学んでもらいます。そして生物学専修にはそのためのカリキュラムが整っています。基礎を学んだ後は、その学問の境界領域に視野を広げることが重要です。生物と化学あるいは物理を別個の分野として扱うのではなく、すべてをつながりのある学問体系の一部であると意識することは、例えば社会との接点を持つ応用研究を進めるうえでも大切です。

自分の好奇心を大切にして研究に取り組んでほしい
私は学生の好奇心こそが研究の推進力であるべきだと思っています。研究は「させられる」ものではなく「する」ものです。卒業研究に配属されたある学生は、自分で学外の実験所にお願いして「ウミウシ」を入手して、動物であるウミウシが、藻を食べてその葉緑体を暫く体内で飼い、その光合成のエネルギーを自身の養分にする過程を研究しました。特殊な光合成をする植物の研究がしたくて、他大学の先生に栽培方法を聞くところから研究を始めた学生もいます。最近では、藻類の培養が趣味という学生が葉緑体の祖先であるシアノバクテリアが藻類へと進化する過程を研究して注目を集めました。

研究室はTWins( 先端生命医科学センター)にありますが、ここには最新の測定機器や飼育設備などが共通設備として整えられており、恵まれた環境で実験を行うことができます。「そのような場所で研究がしたい」という意気込みを持つ学生は伸びます。素晴らしい研究ができるかどうかは、個人の能力の有無よりも、自分の好奇心を大事にして研究に打ち込めるかどうかによって決まるのです。研究室の学生の約半数は大学院に進学する一方で、就職する学生の進路は多岐にわたります。皆さんも早稲田に入学したら、常識の枠にとらわれず、自身の可能性を最大限に広げるのだという気概で頑張ってください。

Profile
園池 公毅 Sonoike Kintake
教育学部 理学科 生物学専修 教授

※掲載情報は2016年度内の取材当時のものです。

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