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教員メッセージ

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研究者かつ法律家として社会に貢献するとともに、国際経済法分野における日本の政策を世界へ広めたい

貿易や投資といった経済活動で生じた紛争を法的に解決する
国際経済法は国際経済活動を促すことなどを目的とした国際法の一分野で、貿易や投資といった経済活動で生じた紛争を法的に解決することにも貢献しています。現在、国際経済の大きな流れとして、TPP( 環太平洋パートナーシップ協定)などの国際経済協定に関する動きに注目が集まっています。貿易に関するルールはWTO( 世界貿易機関)が定めているものがありますが、160 を超える国や地域が加盟していることもあり、1 つのルールを決めるにも多くの手続きと時間を要します。一方、TPP やFTA( 自由貿易協定)、EPA( 経済連携協定)といった2 カ国以上の国・地域間で結ばれる協定は、当事国の数が少ないため柔軟なルールづくりができるという特徴があります。国ごとに抱える事情や思惑が異なる中での交渉ですから、その過程を見るにあたっては法的な知識を軸とした多角的な視点が必要とされます。

私は国際経済法の研究者であると同時に法律家でもあると自負しています。貿易や投資に関する裁判や国際協定の策定に関してアドバイスを行う法律家としても社会に貢献したいと考えています。また、国際経済法分野における日本の政策をもっと世界に紹介したいという思いもあります。こうした思いは、ジュネーブの国際開発高等研究所の研究員や、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所の法務官補佐を経験させていただいたことで一層強まりました。現場での実体験をふまえたエピソードは学生たちに理解を深めてもらうための教材の一つであり、研究・教育と実務の相互関係を大切にしています。

知識の“ 蓄積”ばかりではなく、調べ方や考え方を学ぼう
経済だけに限らないありとあらゆる分野がグローバル化していくことに伴い、私たちが直面する社会の課題は複雑化の一途をたどっています。絡み合った問題を解決へ導くには、ある分野のスペシャリストたちが集まり知恵を出すことも必要ですが、調整役としてのジェネラリストも不可欠な存在といえるでしょう。自身の軸となる学問領域から関連する諸領域までを、幅広く学ぶことができる社会科学部のカリキュラムは、どのような立場から社会に貢献したいか見定めるのに好適です。

大学で学ぶにあたっては、知識の“ 蓄積”にばかり目を向けてはいけません。あるテーマに対して、どのように調べ、どのように考えれば良いのかを追求する力を養うことに主眼を置いてください。そして、誰かの受け売りではない“ 自分なりの考え”を持つ癖をつけること、物事をただ理解するだけでなく批判的な見方をしてみることの2 つを大切にして、実り豊かな学生生活を送ってほしいと思います。

Profile
福永 有夏 Fukunaga Yuka
社会科学部 教授

※掲載情報は2016年度内の取材当時のものです。

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