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教員メッセージ

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開発と環境保全の両立を目指し実証分析に基づき政策を提言

開発途上国の経済発展や貧困削減はどうすれば実現できるのか。そのメカニズムを探りながら課題解決の方法を考えるのが開発経済学の分野です。中でも、従来は両立が難しいとされてきた「経済開発」と「環境保全」の両方を促進する効果的な制度や政策を追究し、ミクロ実証分析に基づく研究の成果を政策提言につなげることを目指しています。
開発経済学の研究において特に重要なことは、収集したデータを厳密に検証・分析し、定量的な結果に基づくエビデンス(科学的根拠)を示すことです。例えば、森林コーヒー認証制度。これは、自然と調和した伝統農法で生産されたコーヒー豆に認証を与える国際NGO の取り組みで、私は研究者の立場から、制度によって実際にどれくらい森林が保全されているのかを衛星画像データをもとに計測・分析し、有効性を数値で実証しました。エビデンスベースで考え、課題解決策を探る経験を通して、学生には世界を客観的かつ多角的に見る力を養ってほしいと思います。一方で、データによっ て現実社会をすべて説明できるわけではなく、理解できない溝を埋める「想像力」を高めることも求めています。
開発のあり方を考える上では、国際経済や環境、教育、医療といった幅広い知識が必要になり、網羅的に学べる早稲田は、国内でも類をみない優れた学修環境と言えます。開発経済学の学びに正解はなく、研究者ですら答えがわからない課題について、皆さんは悶々と考え、解を模索することになるでしょう。苦しみも伴いますが、悩み試行錯誤した時間は必ずや皆さんを成長させ、将来への糧になるはずです。

Profile
高橋 遼 Takahashi Ryo
政治経済学部 准教授

明治学院大学国際学部卒業、東京大学大学院修士課程・博士課程修了。博士(国際協力学)。政策研究大学院大学研究員、早稲田大学高等研究所助教、学習院大学経済学部准教授を経て、2018年より現職。
専門は開発経済学、環境経済学。

※掲載情報は2022年度内の取材当時のものです。

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