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教員メッセージ

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パンデミックの経験を踏まえグローバルヘルスを学際的に研究

「健康権」という言葉を皆さんは聞き慣れないかもしれませんが、私たち一人ひとりが持つ人権の一つとして国際人権条約等に定められています。私は日本における健康権の保障の状況や課題など、「健康と人権」に関する幅広い研究に取り組んでいます。
法学研究には、法や人権の概念などを考える理論研究や、過去の裁判例を分析する判例研究などいくつかのアプローチがあります。私はこれらに加えて、国の政策の人権への影響をモニタリングし評価する政策アプローチにも注力しています。健康に関わる人権侵害は、ひとたび起きてしまうと、 たとえ裁判を経て救済が行われたとしても、すでに当事者の健康や命が奪われて手遅れになるケースが少なくありません。人権侵害の発生を事前に防ぐことが重要であり、政策の策定や実施の段階で課題を見つけ対策を講じる意義は大きいと言えます。私たちは誰もが病気になったり障がいを抱えたりする可能性があります。その際に、差別や偏見なく必要なヘルスケアにアクセスできることは、すべての人が持つ権利です。
その認識をまずは皆が共有することが、より良い社会への一歩になるはずです。早稲田大学では、キャンパス内外で学生が主体的に取り組んでいるさまざまな活動があり、それをサポートする環境もあります。ぜひ身近にある課題に関心を向け、改善のために何ができるのかを考え、実践を通して学んでほしいと願っています。

Profile
棟居 徳子 Munesue Tokuko
社会科学部 教授

中央大学法学部卒業、金沢大学大学院社会環境科学研究科修士課程修了、同博士課程修了。博士(法学)。立命館大学人間科学研究所研究員、神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部講師、金沢大学人間社会学域法学類准教授・教授を経て、2019年より現職。専門は社会保障法、国際人権法。

※掲載情報は2022年度内の取材当時のものです。

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