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教員メッセージ

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日常史を解き明かすことで歴史の裏側が見えてくる

『三国志』などを通して古代中国の英雄たちの活躍に関心を持つ人も多いことでしょう。では、当時の人々が朝何時に起き、何を食べ、どのような1日を送っていたのかを想像したことはありますか。中国古代史を長らく研究してきた私は近年、出土文字資料や考古遺物なども駆使し、人々の日常史を解き明かすと に力を入れています。
当時の生活を具体的に復元することで、その時代を生きた人々の姿がより臨場感をもって浮かび上がり、教科書に記された歴史の裏側が見えてくるのが日常史研究の面白さです。私自身、これまで読み流していたような歴史書の細かな記述について、その背景も理解できるようになり、読み解く力が飛躍的に高まりました。2000年前の人々も仕事や家庭のことであれこれ悩んだり失敗したりしながら日々を送っていたと知れば、皆さんも何だか心が楽になるのではないでしょうか。
歴史学と聞くと、あらかた研究され尽くしているイメージを持つかもしれませんが、決してそんなことはありません。問題意識や着眼点の持ち方次第で、探究するテーマはいくらでも見つかります。古代中国の経済や貨幣を専門に研究していた私が日常史に目を向けたのも、「当時の将軍はどれくらい給料をもらっていたのだろう」とふと疑問を持ったことがきっかけでした。世の中の不思議を自分で解明することができるのが、大学という場です。ぜひ自分だけのテーマを見つけ出し、思う存分に探究を深めてください。

Profile
柿沼 陽平 Kakinuma Yohei
文学部 アジア史コース 教授

早稲田大学文学部卒業、同大学院文学研究科史学(東洋史)専攻修士課程修了、同博士課程修了。博士(文学)。帝京大学文学部専任講師・准教授、早稲田大学文学部准教授などを経て、2021年より現職。
早稲田大学長江流域文化研究所所長を兼務。専門は東洋史、特に古代中国の経済史・貨幣史。

※掲載情報は2022年度内の取材当時のものです。

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