早稲田大学 受験生応援サイト DISCOVER WASEDA

教員メッセージ

Message

継続して改善を図る政策学的思考で犯罪対策のより良いあり方を探る

日本では、社会における種々の「犯罪」に対し、刑罰や再犯防止の取り組みなどさまざまな手段で対応が図られています。国や地方公共団体が講じる犯罪対策のあり方を研究するのが、刑事政策学の分野です。罪を犯した人への対処の仕方を論じることにとどまらず、犯罪の原因を探究し、未然に防ぐための方策を考えることも重要なテーマです。児童虐待を例にとると、虐待を防ぐために地域社会は日常的にどう支援ができるのか、虐待が疑われる場合に児童相談所は警察と連携してどう生命を守るのか、さらに、虐待被害を受けた子どもを児童福祉の仕組みの中でどう支援するのかなど、取り扱う課題は多岐にわたります。また、社会福祉や地域づくりなど、ほかの専門領域とのつながりを持つことも特徴です。
社会課題の多くがそうであるように、犯罪対策のあり方に正解はありません。重要なことは、現状の課題を把握し、それに対する改善策を計画・実行し、検証結果を踏まえてさらなる工夫や改善を図る、この一連の流れを繰り返すこと。こうした政策学的思考を培ってほしいと考えます。
社会の共通ルールである「法」を学ぶことを通して、広く社会の仕組みについて理解を深められることが法学部の面白さです。トラブルや紛争に直面した際に、関係者の意見を聞き取った上で、事実をルールや規範に当てはめ、妥当な結論を導き出す。この公平・公正な視点と課題解決能力は、日常生活や仕事の場面でも強みになるでしょう。卒業生が各分野の一線で活躍していることも早稲田の法学部の良さであり、学びや人脈を通して刺激を受けるなかで、将来の選択肢は想像以上に広がるはずです。

Profile
小西 暁和 Konishi Tokikazu
法学部 教授

早稲田大学法学部卒業、同大学院法学研究科公法学専攻修士課程修了、同博士後期課程研究指導修了退学。修士(法学)。早稲田大学法学部専任講師・准教授を経て、2015年より現職。
専門は刑事政策、少年法、犯罪者処遇法。

※掲載情報は2022年度内の取材当時のものです。

教員メッセージ一覧に戻る

Message

Page
Top