応用言語学の理論を活かして社会で使える英語力を育ててほしい
私が専門とする応用言語学は、多様な分野の知見を実生活に応用し、言語にまつわる課題を解決することを目的とした学問分野です。
例えば、「どうすれば社会で使える英語力を身につけられるのか」といった課題は、私も含め多くの研究者が興味を持つテーマです。この効果的な英語学習について考える際に、応用言語学の一分野である「第二言語習得」(母語ではないことばの習得に関する研究)の知見がとても有用です。第二言語習得研究によると、意思疎通のツールとして使える英語力を身につけるには、インプット(読むこと聞くこと)、アウトプット(話すこと書くこと)、インタラクション(会話すること)の3つが欠かせないということが分かっています。私の授業では、この理論自体を教えることにとどまらず、それを教室内で実践し、授業を全て英語で行うことで、学生が専門分野について学びながら英語力も高められるような機会を提供しています。理論を理論で終わらせずに、自分の人生に応用し活かしていけるところが、応用言語学の一番の魅力だと思っています。文学部には幅広いコースがありますが、2年次からコースに分かれるので、1年次はいろいろな授業を履修しながらじっくりとコースを選ぶことができます。また、応用言語学は教育学や心理学、社会学などいろいろな分野と深く関わりのある領域なので、多様なコースが存在する文学部で学ぶことは大きなメリットです。実際、社会学の原理やジェンダー研究をどのように日本の英語教育に応用できるかについて卒業論文を書いた学生もいます。このように、さまざまな分野に興味がある学生にとって、文学部はとても良い学びの場です。大学では、実践的な活動を通して、より主体的に学び、他の学生と一緒に何かをやり遂げる楽しみを味わってほしいと思います。