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教員メッセージ

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他者や社会との関わりにおける子どもの芸術表現の可能性を探究

学校の外へも広がる美術教育の機会
社会が大きく変容する今、子どもの教育も、従来のように学校の中だけで完結するものから、地域や社会との連携で行われるものへと、変化が求められています。私の専門である美術教育もそれは同じで、教育の機会は学校内にとどまりません。私の研究室では大きく次の二つの研究に取り組んでいます。一つは学校教育における図画工作・美術科の授業研究です。そこでは、学校のなかに子どもの表現が位置付く意味を考察しています。さらにもう一つ、公共施設や美術館、公園など、子どもが居る場で行う造形ワークショップの研究にも力を入れています。学校の内外を問わず、美術教育において重要となるのは、作品をつくること以上に、形や色などで表現するプロセスを通して子どもが自分なりの意味や価値をつくりだしていくこと、すなわち創造性の発揮だと私は捉えています。さらに他者の表現を味わうことで、自他の違いを認識し、自身の個性を発見する機会にもなるでしょう。子どもたちが他者や社会との関わりの中で、美術などの芸術を通して自分を表現する喜びを感じられるような授業やワークショップのあり方を、学生と一緒に考えていきたいと思います。また同時に、学生自身にも造形表現の喜びを体感してほしいと考えています。

周りと協働しながら自らの信念を実現できる人に
教育学を学ぶということは人間を深く理解することにほかならず、その学びを活かして卒業生は教育分野に限らずビジネスの第一線でも広く活躍しています。一方で私自身は教育学部の教員として、これからの学校を創造していく熱意や力量を持つ若者を現場に送り出したいとも強く思っています。皆さんの中には、教員になることに関心を持ちながらも、メディアで見聞きする学校教育のネガティブな話題に不安を募らせている人も少なからずいることでしょう。そうした人にこそ、ぜひ早稲田の教育学部で学び、多様な専門性を持つ教員やゲスト講師との対話や実習などの機会を通して、教育現場の今を自分自身で確かめ、より良い未来を考えてほしいと思います。学校や社会が直面するさまざまな課題の解決に挑むには、自らの信念を持つと同時に、周りの人と協働して粘り強く取り組むタフさや、ものごとを面白がる知的好奇心も大切になります。早稲田の自由闊達な学生文化や多様な学びの選択肢も、皆さんがそれらの力を手に入れる大きな助けとなるはずです。

Profile
大泉 義一 Oisumi Yoshiichi
教育学部 教育学科 初等教育学専攻 教授

※掲載情報は2019年度内の取材当時のものです。

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