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教員メッセージ

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最先端の計測・解析機器を駆使し 脳の機能の全体像解明を目指す

脳科学と一口にいっても多様な分野があり、脳による認知の仕組みを追究する心理学や精神医学、脳の各部分の働きを解き明かすシステム脳科学も脳科学の研究領域です。私たちの研究室では、さらに下の階層である分子・細胞レベルの研究を専門とし、脳を構成する神経細胞の機能や内部での分子の働きを調べています。これら脳科学の研究者たちの目標は、「脳の機能を説明したい」という1点に集約されるでしょう。数ある臓器の中で、脳だけはいまだ未解明なことだらけです。
近年は、計測・解析の技術や機器の目覚ましい進歩により、生きた動物の脳の中を直接観察したり、万単位の数の神経細胞の動きを同時に計測したりすることも可能となり、脳科学は飛躍的に進展しています。今後、脳の機能が解き明かされていくことで、そのアルゴリズムを活用したさらに高度な人工知能(AI)の開発も加速すると考えられます。その意味で脳科学は、これからの人類社会の行方をも左右する、挑みがいのある分野だと思います。
早稲田大学は約130年前、国内の私大で初めて理と工が一体となった学部を創設しました。先進理工学部 生命医科学科では、生命科学の系統立った知識や基礎医学を修得しながら、理学・工学の両方の知識とセンスを磨くことができます。この環境を活用し、専門分野を究めると同時にぜひ他の分野や世界の潮流にも理解を深めてください。この先、生命科学全般において情報科学のさらなる活用や、実験的研究と理論的研究の融合など、従来の枠を超えた研究者同士の連携がますます重要になるでしょう。そうした動きをリードする人材として脳科学の発展に貢献してほしいと期待しています。

Profile
井上 貴文 Inoue Takafumi
先進理工学部 生命医科学科 教授

慶應義塾大学医学部卒業、大阪大学大学院医学研究科博士課程修了。博士(医学)。東京大学医科学研究所助手・助教授を経て、2007年より現職。1998年より2年間、米国ニューヨーク医科大学で研究員。
専門は神経生理学、細胞生物学。

※掲載情報は2022年度内の取材当時のものです。

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