スポーツの力を科学的に検証しより良い社会の構築に役立てる
スポーツと人間のウェルビーイング(Well-ス being:心身ともに上手く機能している状態)との関係を研究しています。
スポーツへの参加やスポーツ観戦によって、人々の幸福感が醸成されることがこれまでの研究で分かっています。例えば私たちがスポーツを楽しんで見ているとき、脳内の「報酬系」と呼ばれる幸福感に関係する回路の働きが活発化することが確認されています。
また 2019年のラグビーワールドカップ日本大会の際に実施した調査研究で、大規模スポーツイベントの開催自体が、住民に幸福感をもたらすことが明らかになりました。実際に試合を見ていなくても、街なかでの海外選手との交流や異文化に触れる体験を通して、開催都市の住民は自分が住む地域への愛着や未来への希望を感じ、結果として幸福感を得ていたのです。このようにスポーツは直接的にも間接的にも、人々の生活をより良いものにする力を持っています。
私の研究室ではスポーツに加えてエンターテインメントも研究範囲とし、それらが持つ力を科学的に検証し、より幸福な社会の構築に役立てる方法を探っています。
スポーツは人の感情を強く揺さぶる力があり、さらに言語や文化、世代の違いを超えてメッセージが伝わりやすいという長所があります。だからこそ、社会課題の解決にスポーツ科学が果たし得る役割は大きいと考えています。
スポーツ科学部ではスポーツをする・みる・ささえる・経営するといった多様な観点から、スポーツ領域の可能性や価値の向上を探究することができます。これらの側面に加えて「スポーツの力を使って社会をより良くする方法を考えたい」という人にもぜひ、本学部で学んでほしいと思います。