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教員メッセージ

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異質な他者との出会いを通して自分自身が変容していく。教育の可能性を問い直し、一緒に社会を創っていこう

「他人事≒自分事」という難題と向き合いつむがれていく「優しいチカラ」
20 年以上も前に、ある不思議な高校( 大阪府立松原高校)と出会いました。生活環境の厳しい生徒や知的障碍のある生徒など、多様な生徒を受け入れて地域の人々とも協力し、生徒主体の学びと対話的空間を大切にする中で育まれる「優しいチカラ」。ここには、自他の違いを認めつつ関わり合い、社会の矛盾と向き合う経験を重ねながら相互変容していくことを通じて社会をよりよく変えていくプロセスがあります(「他人事≒自分事」)。AI をはじめ技術革新がどれだけ進もうが、( 弱さを抱えた)「類としての人間」の学びの本質は変わりません。以来、少しずつ、いくつかの学校・自治体やご縁のあった方々に改革の萌芽が受け継がれてきました。自らの問いを大切にしつつ学問を深め、フィールドワークや質問紙調査等の研究方法を通して現実と向き合い自らを変容させながら、教育と社会の再構築に挑戦する次世代の試みを応援し続けたいと思います。

早稲田祭企画出展等の「仕掛け」を通して関わりや学びを深め合うゼミ生たち
ゼミでの2年間の豊かな経験は貴重です。主人公は他ならぬゼミ生たち。教育研究の「最前線」を踏まえてちりばめられた「仕掛け」の中で、かれらはさまざまな相互変容を遂げていきます。菊地ゼミでは、卒論執筆に加えて、早稲田祭での企画出展を学生主体で進めてきました。10余年かけて先輩たちが育んできた知恵に学びながら、毎年新たなテーマにチャレンジしています。各自の関心を出発点にして、ゼミとしての共通テーマを練り上げ、関連する研究をレビューしつつ独自色を打ち出していきます。また、当日のワークショップ等をどのように構成すれば来場者の方々の学びが深まっていくかを真剣に話し合いデザインします。ゼミは、重層的に「他人事≒自分事」を学んでいく貴重な場となるとともに、卒業後もつながり合える「居場所」にもなっています。多様な他者の刺激を受けつつ互いを高め合う「早稲田の伝統」がもたらす果実といえます。

Profile
菊地 栄治 Kikuchi Eiji
教育学部 教育学科 教育学専攻 教育学専修 教授

※掲載情報は2017年度内の取材当時のものです。

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