国境をまたいで経営を行う企業の課題や戦略を学際的に考察する
コロナ禍で見直されるサプライチェーンのあり方
企業活動と組織の国境を越えたグローバル化が、国・業種・企業規模を問わず当たり前の時代になっています。こうした多国籍企業の経営問題を考察するのが、私の専門である国際経営学の分野です。新しいところでは新型コロナウイルスの感染拡大も、未曽有の需要ショックに加え、国境をまたいで経営する難しさを浮き彫りにしました。これまで多国籍企業の多くは製品の生産工程を細分化しさまざまな国に配置してきましたが、コロナ禍でグローバルなサプライチェーンが寸断、生産全体が止まってしまう深刻な供給ショックが世界中で起きたのです。従来の効率性最優先の方向から、国際経営の戦略は大きく変わっていくことでしょう。
自身が関心を持つイシューを起点に探究を
国際経営の諸問題を考える上では、経営学、経済学、政治学、社会学、心理学などさまざまな学問分野が関係します。これらすべての科目が設置されている社会科学部は、学際的に探究を進めるのに最適な環境と言えるでしょう。自由度の高いカリキュラムは、大学で何を学びたいかがまだ明確に定まっていない人にも適しています。一方で、そうした人に私が強く勧めたいのは、入学後のなるべく早い段階で、自身が追究したいイシューを見つけることです。日々の生活やニュースを通して感じる疑問や問題意識を起点に、分野の枠を超えて解決策を探っていけるのが、本学部の魅力だと思います。