世論調査データから有権者と政治の関係を分析する

政治学というと政治家や官僚などテレビのニュースに出てくる人たちを対象とするイメージがありますが、そうした人たちも有権者が何を考えているかを念頭にさまざまな政策を作っているという点で、私たちのような有権者も政治学にとって非常に重要な研究対象です。私は有権者、つまり「選挙で選ぶ側」に着目して、どういった人が選挙に行くのか、あるいは行かないのか、どの政党や候補者に投票するのか、それはどういった要因で決まるのかといったことを、世論調査データの分析から研究しています。有権者の多くは、必ずしも政治の知識が豊富にあるわけではありません。それでも選挙では一票を託さなければならない。そのような制約の中で、人々の行動が政党や国会にどのように反映されているのか、政府をどのようにコントロールできるのかについて考えています。
社会科学部は、政治学、経済学、法学、社会学、経営学など、幅広い科目を学べると同時に、専攻分野については一からしっかり学ぶことができます。高校生のうちは、どの分野に興味があるかわからないこともあると思いますが、社会科学部なら自分の関心がどこにあるかを入学後に発見できますし、自分の問題意識が変わった場合にも軌道修正できる良さもあると思います。平和学やコミュニティデザインなどフィールドワークを重視する分野では、実際に現地に赴く授業もあり、現場の課題を学術的に考えることで、臨床的な思考を鍛えることができます。知的好奇心や探求心を大切にして、いろいろなことに取り組んでもらいたいと思っています。