経済や市場の力を用いて環境問題の解決を目指す
気候変動や大気汚染などの環境問題を、経済や市場の力を使い解決しようというのが環境経済学の考え方です。そのためには、市場の外側に置かれてきた環境問題を市場の中に入れ込むこと、つまり環境に経済的な価値付けをすることが鍵となります。方法の一つに、炭素に価格を付けて排出量に応じた負担を企業や家庭に課す「カーボンプライシング」があります。私の研究室では、国内外で実施されたカーボンプライシング施策の効果や影響を分析し、実証データに基づく政策提言にも注力しています。一般的には相いれないとされる「経済活動」と「地球環境保全」を、経済学の知見で結び付け、課題解決への処方箋を出せることがこの分野の面白さだと思います。早稲田の研究環境の特色として、国際性の高さは抜きんでていると言えます。私の研究室にも多様な国籍の学生が在籍し、各学生の出身国や地域にフォーカスした調査研究にも取り組んできました。また、それぞれの分野で国際的かつ先端的な研究を行っている教員も多く、学部生も多彩な科目を通して最先端の内容に触れることができます。この環境を積極的に活用し、在学中から視野や活動範囲をグローバルに広げてほしいと思います。