【先輩たちのキャリア選択】 大間 瑛利子さん(人間科学部卒)

現場を自分の目で見て肌で感じること、想いを言語化して伝えることの大切さ WAVOCの活動で得た学びは数知れず大学2年次に1年間休学してカナダへワーキングホリデーに行き、もっと世界の現状を見てみたいと思うようになりました。特に“途上国”と呼ばれる国の人々の生活に関心を抱き、現地の学生や住民の方々との交流が豊富なWAVOCのCommunity AIDs Projectに参加。この活動でフィリピンを訪れた際、スラム街で出会った少年の将来が貧しさによって制限されていることを知り、愕然としました。一方で少年の目の輝きに底知れぬ可能性を感じ、彼らの選択肢を0から1に変えていくことに貢献したいと心に強く誓ったのを覚えています。
この思いを実現するにあたって、開発途上国にいくつものフィールドを持ち、日本の組織の中で圧倒的な協力規模とノウハウを持っていることが決め手となり、JICAに入構しました。途上国が自ら直面する開発課題を乗り越え持続的に発展していくために、日本の産官学の叡智を結集する開発現場の総合ファシリテーターとして、プロジェクトの企画、実施を行っています。目まぐるしい発展を続ける途上国では現場のニーズも刻一刻と変化します。スピード感を意識しつつも既存のやり方に囚われないクリエイティブな発想が求められるため、常に情報感度を高く保ち、途上国の人々と真摯に向き合う姿勢を大切にしています。
JICAの仕事では、プロジェクトを通じて達成したいビジョンを明確化し、分かりやすく情報発信・共有するコミュニケーション力や多様なステークホルダーを束ねるチームマネジメント力が求められます。これらの能力の素地はWAVOCの活動で鍛えられました。海外を拠点とした今の仕事にもやりがいを感じていますが、“Think globally,Act locally”を生まれ故郷の佐賀でいつか体現し、自分を成長させてくれた途上国と佐賀、それぞれがWin-Winになるようなビジネスに関わりたいとも思っています。