国際法には限界があると知ったからこそ,大学院で見識を深め、理想を追い求めたい
国際法の面白さに魅せられたのは、高校時代に参加していた模擬国連の活動を通して、異なる価値観や思惑を有する国家間に一定の規範意識が存在していることに興味を持ったのがきっかけです。入学後、いろいろな先生方の国際法に関する授業を履修しましたが、その中でも河野真理子先生の講義を通して見えてきた「国際法と個人の関係性」という研究テーマに強く惹かれました。現在は河野先生のゼミに所属して、今学期は国連における加盟国の地位や湾岸戦争・イラク戦争の合法性といった安全保障問題について学びました。
国際法をさまざまな観点から考究していくにつれて、国家間のやりとり、とりわけ政治的な局面では法律よりも政治力学が優先される場合があること、つまり、現行の国際法には限界があることを知りました。一方で、複雑化するグローバル社会において、現行法が形作られていることは極めて大きな意味を持ち、次世代の私たちがその形を守りつつも、変わりゆく国際社会の中でその発展を主導する任務があるとも感じています。限界がある中でも可能性を探っていくことが国際法の発展につながると信じて、卒業後は大学院で見識を深めたいと考えています。