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教員メッセージ

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宇宙創成直後の超ミクロ状態での物理現象を、一般相対論を超えた統一的な理論で解明

量子力学と一般相対論を統一した理論を構築したい
近年、飛躍的に発展した観測技術により、宇宙の膨張、重力波、ブラックホールなど、アインシュタインが一般相対論で予言した物理現象が次々と実証されています。このような観測データを用いることにより、宇宙創成から10-38秒以降の出来事、例えばインフレーションなどの物理は検証可能となりました。しかし、宇宙開闢の頃の、原子より桁違いに小さい超ミクロ状態での物理現象を取り扱うには、 量子力学と一般相対論を融合させた理論が必要であると考えられています。私は、そのような統一理論の構築を目指しており、それに基づく理論的な予言と最新の観測データとの比較から、宇宙進化の詳細に迫ろうとしています。

暗黒エネルギー、暗黒物質の正体に挑む
さまざまな観測データは、現在の宇宙の加速的な膨張を示唆しており、その源である正体不明の暗黒エネルギーは宇宙の約70%を占めています。さらに、宇宙の構造形成の主役を担った暗黒物質という未知の物質は、宇宙の約25%を占めています。このように、宇宙は多くの謎に満ちており、暗黒エネルギーや暗黒物質の起源を探るのも私の重要な研究テーマです。研究室の学生も、最新の観測データを用いて、これらの物理現象の解明に取り組んでいますが、高度な研究にも物理学の基礎からの積み上げが重要です。入学後は1年次の「物理入門」などの微分積分を用いた物理学をベースに、基礎理論をしっかり学んでほしいと思います。

Profile
辻川 信二 Tsujikawa Shinji
先進理工学部 物理学科 教授

東京大学理学部卒業、早稲田大学大学院理工学研究科修了。博士(理学)。東京理科大学理学部准教授、教授を経て2020年より現職。専門は宇宙物理学で、インフレーション、暗黒エネルギー、暗黒物質などの研究から宇宙創成と進化の謎に迫る。

※掲載情報は2020年度内の取材当時のものです。

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