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教員メッセージ

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働く上で起こる問題について理論的に判断できる力を身につけ自分や周りも幸せにできる人に

社会人だけでなく学生にも関わる「労働問題」
私の専門である「労働経済」は、平たく言えば労働問題を研究する経済学の応用分野です。労働問題というと社会人を連想するでしょうが、アルバイトをしている大学生や高校生も労働者の権利の対象であり、その権利が守られていない状況に気付かないままの人も少なくありません。そのため授業では、労働問題に関する経済学的な分析結果を紹介するだけでなく、労働者の権利にも触れ、働く上で起こり得る問題にどう対処すべきか、考える機会を持てるようにしています。私は大学教員になるまで、労働政策を研究する機関で18 年にわたり一貫して労働問題、特に長時間労働の問題について調査研究をしてきました。その間、日本の平均労働時間は多少短くなったとはいえ、根本的な状況は変わっていません。どうすれば企業活動を損ねずに働く人の環境改善につなげることができるかは、現在も私にとって最重要の関心事です。先駆的な取り組みをしている企業に聞き取り調査を行うなどして実態を把握し、成功事例をほかの企業に広げていくような研究活動も進めています。

自分の言葉で自分を語れるようになろう
日本で働く人の約9 割は会社や組織に雇われています。つまり大学で労働問題を学び体系的に理解しておくことは、将来皆さん自身が社会に出て働くなかで、何が正しくて何が間違っているのかを判断する材料が持てるということです。AI の進出をはじめ、労働を取り巻く状況が著しい速さで変化している現代だからこそ、学生のうちから学びを通して、自分がこの先どう働き、どう生きるのかについて考えを深めてほしいと思います。学生時代に重要なのは、「何をしたか」だけでなく、「そこで何を考え、どう行動し、何を得たのか」という自分だけのエピソードを、自分の言葉で堂々と語れるようになることです。さらに、社会に出てからも「変化に対応する柔軟性」「高い学習能力」「好奇心」を大切に持ち、ものごとを理論的に判断しながら、自分や周りも幸せにできる人になってほしいと願っています。学業や課外活動も含め、やりたいことに何でも自由に挑戦できる早稲田の環境を活かして、将来の職業キャリアを築く上で不可欠となる主体性や積極性をぜひ磨いてください。

Profile
小倉 一哉 Ogura Kazuya
商学部 教授

※掲載情報は2018年度内の取材当時のものです。

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