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教員メッセージ

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人と先進映像技術のより良い関係を、人間工学のアプローチから追究する

疲れにくく快適な立体映像を研究し、成果を社会に還元
人間工学とは、平たく言うと、人とモノとの関係を考察・評価する学問です。人間工学に基づいて設計された疲れにくい椅子やマウスなどを皆さんも目にしたことがあるでしょう。私の研究室では人間工学のアプローチを、バーチャルなモノや環境に対して用いた研究を行っています。具体的には、立体視映像(3D)やバーチャルリアリティ(VR)などの先進映像技術の安全性や快適性を検討し、その知見や手法を活用したコンテンツ制作やシステム設計にも取り組んでいます。これまでの研究から分かった疲れにくく快適な3D映像のノウハウは、実際に国内外の映画制作に活かされています。また最近では、VRやAR(拡張現実)の映像を見るだけで触感が伝わるシステムの研究にも注力しています。この技術がさらに進化すれば、例えば一流アスリートや熟練職人の感覚を疑似体験することにより、言葉では説明しづらい技術やコツの伝承も可能になるかもしれません。このように、将来的な社会での活用を視野に研究に取り組めることも、この分野の魅力だと思います。

学科の枠を越えて幅広い知識を磨ける仕組みも充実
研究室では企業との共同研究も多く、一例として、自動車関連企業と連携し、自動運転車におけるドライバーの車酔いについてVR空間で実験を進めています。こうした研究を通して、スケジュールや目標の管理、コミュニケーションの仕方など、チームプロジェクトの基本も身につけてほしいと考えています。基幹理工学部は2年進級時に学科を選択する仕組みが特色で、入学後に自分が進みたい方向を見極められる良さがあります。加えて副専攻制度により、学科の枠を超えて自身の専門性を補強する幅広い学びも可能になるので、ぜひ活用してください。表現や創作に関心を持つ高校生の皆さんに一つお薦めしたいのは、映像でも音楽でも、興味があるものをまずは自分で作ってみることです。昨今はプロのクリエイターが使う制作ツールを誰でも容易に試せる時代です。あとは心理的なハードルを乗り越えて一歩を踏み出せるかどうか。ものづくりの面白さを実際に体感することで、これから大学でどんなことを深く学びたいのかも見えてくるのではないでしょうか。

Profile
河合 隆史 Kawai Takashi
基幹理工学部 表現工学科 教授

※掲載情報は2019年度内の取材当時のものです。

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