事象をデータから読み解く力や 論理的思考力を社会で活かしたい

理系文系の枠にとらわれず視野を広げたいと、領域を横断して学べる人間科学部に入学しました。
多様な分野の中で、地球を一つのシステムと捉え、気候などの環境変動と生物や人間の活動との関係を知る地球生態学の視点に興味を持ち、3年次のゼミも「地球環境システム論」を選択。現在まで一貫して、気候変化による蚊の活動予測を研究しています。蚊は代表的な感染症媒介生物で、個体数の増減や分布は感染症の拡大にも関係してきます。そこで気候データから蚊の個体数や分布を予測するモデルをもとに気候変化の影響を探ってきました。幼生期の蚊は水中に生息するため、降水パターンに着目してシミュレーションした結果、降水頻度が高く見積もられたシナリオ下では個体数が減少するということが分かりました。大学院では気候の将来予測データを活用して、約100年後の蚊の活動予測を試みています。
人間科学部には3年卒業制度があり、5年間で修士課程まで修了可能なことも大学院進学の後押しになりました。大学院ではより主体的な姿勢、仮説と検証を繰り返してものごとを考える論理的思考力、膨大なデータを処理する能力が養えていると思います。修了後はそうした能力と環境変動の影響をデータから見ていく知識を活かし、企業に環境変動対策などをアドバイスできるコンサルタントを目指しています。