院内感染などで問題視される緑膿菌を研究 大学には世界最先端の研究にふれられる環境がある

高校時代から生物を専攻していて、理学・工学の立場から医学の基礎研究を行う生命医科学に興味を持ちました。テレビ番組で本学の生命医科学が紹介されていて、インタビューに応じた学生の「臨床医が救える人は限られるが、研究における発見が医学に役立つときには大勢の人を救える」という主旨の話が強く印象に残っています。修士課程では病原性微生物の集合体であるバイオフィルムの研究をしています。微生物は単細胞なのに、いろいろな機構を持つこと、さらに集合体として分業する機能を持つことを知り、面白いと思ったのがきっかけです。先進理工研究科の独自のプログラムとして、修士課程1年次にアメリカで3カ月間の研究留学をして、世界の先進的な研究にふれた経験から、ぜひ自分も世界へ出て研究したいと思うようになりました。分野横断的な研究がとてもスムーズに行われていて刺激的でした。博士課程では、つくばにある産業技術総合研究所で研究を行っています。ここでは、キャリアの長い研究者から随時アドバイスをもらえるので、一人で悩むことがなくなりました。研究場所を学外とするなど、やりたいことを自由にできるのは、早稲田の良さのひとつだと感じています。昨年は特別研究員の海外渡航支援を受けて、ドイツの大学内にある世界の最先端を行く研究室で半年間、研究ができました。海外の研究者とのつながりも重視し、いずれは感染症で苦しむ大勢の人が救えるような研究を続けたいと思っています。