1000 年以上の歴史を持つ集落を研究。主体的に研究の成果を発信したことで社会との繋がりを実感できた
1000 年以上の歴史を持つ集落や村についての研究に、学部の4 年生から参加しています。平安末期の書物にある地名を現在の地図に落とし込み、実際にその場所を訪れて建築物の構造や周辺環境、そこに暮らす人々同士の関わり方などから、長きにわたって存続している要因を考究します。建築学の知見だけでは捉えられないことも多く、他大学・他分野の先生方や学生たちとの共同研究も盛んです。この研究は東日本大震災をきっかけに始まったもので、災害に遭っても存続できている地域から今後の人々の暮らしのあり方を模索することに意義を感じています。
大学院に進学してからは、主体的に研究の成果を発信してきました。開催したシンポジウムの内容が新聞に取り上げられることもあり、自分の研究が社会に繋がっていることを実感します。ひと言に建築といっても、その内容はデザイン、構造力学、環境など多岐にわたります。加えて、立地調査を行う中で地学の話に
及ぶことや、昔の文献を扱うために歴史や古文の知識が必要となるなど、いろいろな分野の知識がつながっていく瞬間があります。研究をするにあたっては興味があることを掘り下げることも大切ですが、自分の可能性を狭めないためにも、あまり興味を感じないことにもできる限り取り組んでおくと良いと思います。