共同研究により高感度バイオセンサーを開発。仕事と生活を両立する女性研究者を目指して
生物が好きで電気にも興味があったので、電気・情報生命工学科を選び、学部時代には「WASEDAものづくり工房」で、さまざまな工作活動にも取り組みました。学部3年次に現在所属する大木研究室を選んだのは、外部機関と共同研究ができる点に魅力を感じたことが一番の理由で、4年次から共同研究グループの一員になりました。現在も産業技術総合研究所と共同で、血液やウイルスを高感度で検出するバイオセンサーの研究開発に取り組んでいます。高感度バイオセンサーが実用化されると、例えば唾液などから体内のごく微量のインフルエンザウイルスを測定することができ、熱などの症状が出る前に薬で治すことができるようになる可能性があります。
こうした研究は、電磁気や情報の知識を生物分野に応用するもので、電気・情報生命専攻の特色や強みが生かされ、多様な知見を融合させた研究に面白みを感じています。学会発表や専門誌への論文投稿にも積極的に取り組み、その都度、大木先生とは何十回ものやりとりを重ねて添削を行っています。現在、研究奨励金と学内奨学金を受給しており、経済的に不安なく研究に集中できる環境にも感謝しています。これからも研究を続け、日本の科学技術の発展に貢献していきたいと思っています。また、日本でも女性研究者が増加していますが、ワークライフバランスを図りながら研究を続けていき、後輩たちに希望を示せるような働き方を探っていくことも目標としています。