芸術と工学との意外な結びつきに惹かれ進学 新しい試みに挑戦できることは大きな喜び
国立大学への進学を目指していた浪人中に早稲田のことを知り、芸術と科学が合わさった学科があるということに驚くとともに心惹かれ、ぜひ入学したいと思いました。私自身は絵画制作をしてきましたが、同じ制作といっても、科学即ち工学系のものづくりには便利さが前提にあるように思われます。当初はこの点が芸術とは相いれないと考えていましたが、実際の学びを通して、工学の数学的な思考法は創作に役立つということが分かりました。例えば、1年次に受けた実験の授業からは、全体の見通しを立てて取り組むという方法を学ぶことができました。私は今、是枝裕和先生と土田環先生の「映像制作実習Ⅱ」で、監督として映画制作に携わっていますが、アイディアを整理する際などに、数学的な思考法が役立っています。この実習は他学部にも開かれた科目ですので、映画を撮りたいという気持ちを強くもっている学生が多く受講しており、制作することへの姿勢を見直すきっかけにもなりました。表現工学科ならではの、工学と映画をつなげるという新しい試みに挑戦する現場に参加できることをうれしく感じています。今後は、映画と理工の架け橋になるようなテーマを見つけたいです。