数学界の「未解決問題」とジョークの融合!? 結び目理論の「谷山ゼミ」

ゼミのテーマは「結び目理論」。位相幾何学(トポロジー)と呼ばれる幾何学のうちの一分野です。簡単に言うと、ひもを引っ張ったときに結び目ができるものとできないものがあります。それを厳密に証明するのが「結び目理論」です。また、ひもの結び方にはいろいろありますが、それらの違いについても研究します。
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結び目理論の、ココが面白い!
このゼミで学ぶ「結び目理論」は、幾何学の中の一分野です。聞きなれない名前ですが、谷山先生によれば「今、世界中の優秀な研究者がこぞって研究している、数学の世界で最も活発な分野のひとつ」。理論としては100年以上の歴史がありますが、1980年代に「結び目のJones多項式」というものが発見されてから、急に注目されるようになったそうです。ちょうどそのころ、谷山先生は早大生。数学のゼミでこの分野に出会い、以来20年「結び目理論」の研究を続けておられます。
ゼミは、教科書を単元ごとに学生が分担し、予習をしてきて発表するスタイル。ゼミ生の栗原 寛さんは「結び目は新しい分野なので、参考文献がなく、自分で考えるしかないところが大変」と言います。「でも、数学=数式というイメージだけど、結び目は絵を描いたりして具体的に考えられるので、親しみが持てます。それに教科書に『未解決問題』が出てくるんですよ。こういうのは高校まではなかったことなので、新鮮で楽しい。教科書では未解決だったのに、今年は解決されたという問題もある。数学は生きた学問だと実感できます」。
清水 彩加さんも「与えられた問題を解くにも、正解にたどりつくまでのプロセスはひとりひとり違うところが面白い。問題を解きながら、このあとどうなるんだろうとドキドキしてます!」
集合写真を撮らせてください、とお願いしたら「それじゃみんなで結び目を作ろう!」と手をつないでくれたゼミ生たち(ページ右上の写真。これは「三葉結び目」と言うそうです)。数学界の先端分野に、心から楽しそうに取り組んでいる姿が印象的でした。

栗原 寛さん

清水 彩加さん
60分に70個のギャグが炸裂?
どうしてこのゼミを選んだの? という問いには「先生が面白いから。2年の授業の最後に、ヌンチャクを振り回したんですよ。それが反応に困るほどうまくて、思わずこのゼミに(笑)」(柴﨑 拓巳さん)。「授業の半分は先生のジョーク」「60分で70個くらいギャグが出る」とゼミ生が口をそろえると、先生も「ダジャレを言うとみんな『ここは笑うとこだろう』ってちゃんと反応するんだ。ノリのいい学生たちだ」と突っ込みます。とにかく笑いの絶えないゼミなのです。
「この学問をやりたい、ということもあると思うけど、この先生に教わりたい! っていう思いでゼミを選ぶのもいいと思う」(荒井 智明さん)。
その言葉のとおり、先生の人柄にひかれて集まったゼミ生が多いのでしょう。全員がとても明るく、和気あいあいとした雰囲気。ゼミのあとは一緒に食事に行くことも多いらしく、この日のゼミ終了の合図は、先生の「さあ今日は焼き肉を焼きに行く(ヤキニイク)大会だ!」・・・というダジャレでした。

「思わずこのゼミにはいりたくなる」ヌンチャク技!

これは「ボロミアンリング」という結び目。誰かひとりが手をはずすと、残る2人の輪はつながっていない。

柴﨑 拓巳さん

荒井 智明さん
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結び目理論に関する国内外のサイト、書籍などが多数紹介されています。