早大初の子どものための芸術教育を探究する大泉ゼミ=「造形教育ゼミ(通称AEゼミ)」
唯一の正解が無いとされる現代においては,Art ThinkingやDesign Thinking,STEAM教育が注目されるなど,Artを通した子どもの創造性開発の重要性が叫ばれています。そうした中で,本ゼミでは芸術教育,とりわけ視覚芸術に関する教育(造形教育)のあり方について,文献の講読からワークショップイベントの企画・開発・実践まで,理論と実践の両面からゼミメンバーで<創造的>に研究しています。
Work
教育における子どもの造形表現の意味を考える
学校教育において,図画工作・美術科をはじめ芸術教科が位置付いていることには,どのような意味があるのでしょうか。
造形教育において重要となるのは,作品をつくること以上に,形や色などで表現するプロセスを通して子どもが自分なりの意味や価値をつくりだしていくこと,すなわち創造性を働かせることです。さらに必然的に友人という他者の表現と出あい,それを味わうことで,自他の違いを認識し,自身の個性を発見する喜びにもつながります。
本ゼミで,子どもたちが芸術を通して他者や社会と関わりながら自分を表現する喜びを味わうことのできるような教育のあり方を,一緒に考えていきませんか?
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越境する芸術体験ワークショップ
社会が大きく変容する今,教育は従来のように学校の中だけで完結するものから地域や社会と連携することによって行われるものへと変化が求められています。私の専門である芸術教育もそれは同じで,教育の機会は学校内にとどまりません。最近では,子どもの芸術体験に対する親や地域の求めに応じて,学校に限定しないオルタナティブな芸術教育への期待が高まっています。
本ゼミでは,ワークショップ論に基づき学校や地域といった場,あるいは親子といった関係を越境する子どもの芸術体験の意義について,アートワークショップイベントの企画・開発・実践を通して実証的に探究しています。例えば,オンラインワークショップ『らくがき美術館』の開催,宮崎国民文化祭「アートフェスティバル」への出張ワークショップ『アートツール・キャラバン』などに取り組んできました。また,教育系企業である株式会社Kids Smile Holdingsとの教育プログラムの共同開発にも着手しています。
オンラインワークショップ『らくがき美術館』(2021年2月7日開催)
自身の感性を磨こう
芸術を通した子どものための教育について考え実践するためには,自身が芸術に対する関心を持つとともに,物事に対する感性が豊かである必要があります。本ゼミでは「美術館鑑賞ツアー」と称して,さまざまなアートの現場に赴き,ゼミメンバー同士の感じたこと,考えたことなどを交流し,互いの感性を高め合っています。また学芸員の方に特別にレクチャーの機会をつくっていただくことやサポーターとして参加することもあります。これまでに,大学から徒歩で行くことのできる草間彌生美術館をはじめ,少し足をのばして神奈川県立近代美術館や岡本太郎美術館に赴いています。
草間彌生美術館にて(2021年2月)
Recommend
このゼミを目指すキミに先生オススメの本
芸術による教育
ハーバート・リード(著),宮脇理他(訳) フィルムアート社
教育を支えるもの
O.F.ボルノウ(著),森昭,岡田渥美(訳) 黎明書房
ぼくを探しに
シェル・シルヴァスタイン(著),倉橋由美子(訳) 講談社