スポーツは文化だ!国際スポーツ文化論ゼミ
スポーツのような、ある意味「遊び」が、これだけ真面目に行われ、社会的に認知され商業になったり、大学の学部になったりしているのは、考えてみれば不思議なことです。スポーツは、いつの時代にも、どんな社会でも、社会をとてもよく映す鏡のようなところがあります。ですからこのゼミでは、スポーツを通して世界の歴史や地理、文化、経済、政治、思想、宗教などを勉強しよう、また同時に(逆に)、それら歴史、地理、文化・・・などからスポーツを考えてみよう、ということをやっています。
研究室DATA
石井 昌幸 准教授
石井 昌幸研究室(スポーツ科学部 スポーツ文化学科)
所在地:東伏見キャンパス体育教育棟
Work
「研究手法」を学ぶ
このゼミは2年の後期からスタート。最初はテキストを使ったグループワークから始まります。「ここで発表のしかた、レジメの作り方、参考文献の探し方などを学んで、年度末には8000字のレポートを提出します。自分のテーマを見つけ、論文を書くための基礎作りです」と石井先生。あとは4年生まで、発表とレポート提出を繰り返して、研究手法を身につけていくのだそう。
そんな長文のレポートを書くのは大変じゃないですか? と聞くと、海外のサッカースタジアムについて調べているという原田真宜さんは「う~ん、正直、大変でした。先生から渡された文献は英語だったし。でも、興味のあるテーマだから、挑戦しようと思って。」
こう書くと勉強漬けのゼミのようですが、ゼミ生たちは「やさしくて面倒見のいい先生です!」「何でもアドバイスしてくれます」「最初のオリエンテーションは、武蔵関公園で花見だったよね」と声を揃えます。それを裏付けるように、研究室にはなぜか鍋のセットが(笑)。
3年・原田 真宜さん
研究室の本棚で発見
アスリートがいっぱい?
ゼミ生が取り組んでいるテーマは、海外のスポーツ事情、スポーツ史など。
3年の辻 翔子さんは「スペインのサッカー事情」について研究中です。「スペインでは、国からの独立を求めている地域が多いせいもあって、スペイン代表チームより、地元のチームを応援する人が多いんです。そのあたりが日本とは違っていて、とても興味があります」。本当にスペインが好きで、サッカーが好きで、スペイン語の勉強まで始めたのだとか。
横から石井先生が「彼女自身もサッカー選手なんですよ。このゼミはアスリートが多いんだ」。なるほど、自分がやっている競技だから、深いところまで掘り下げられるんですね・・・「いや、自分の競技とは限らないです。ラグビー部主将(4年)の卒論テーマは、すもうの歴史だったね(笑)」
種目はともかく(?)スポーツ関係者ならではのユニークな研究が、このゼミの持ち味のようです。
3年・辻 翔子さん
Recommend
このゼミを目指すキミに先生おすすめの本
スポーツを考える:身体・資本・ナショナリズム
多木 浩二著(ちくま新書 1995年)
身体論のすすめ
菊池 暁編(丸善出版 2005年)
身体の零度:何が近代を成立させたか
三浦 雅士著(講談社選書メチエ 1994年)
大学での学び方:「思考」のレッスン
東谷 護著(勁草書房 2007年)