学校心理学の理論を実践的に学ぶ本田ゼミ
学校心理学をテーマとして、見立てや、実践に関する諸理論と技法を学びます。2年間でカウンセリング心理学分野と心理アセスメント分野を学びます。カウンセリング心理学分野では、カウンセリングや精神分析、認知療法などの諸理論を学びそれぞれのカウンセリング技法の演習をします。又、心理アセスメント分野では、言動の背景にある心理や認知等を包括的に「見立てる」ために、個別の心理検査や描画、箱庭などの投影法等を学び、実際に検査とって見立てを行う演習をグループで実践していきます。子供達と接していっしょに活動しながら見立てたり支援の演習をしたり、とても忙しいですが、学びが多い実践的なゼミです。「子供達に成長を促すには、自分はどのように接したらよいのだろう?」「不登校の子が学校復帰するためには、どのような支援が必要なのか知りたい」など、スクールカウンセリング・非行少年の矯正教育等に興味のある方にお勧めのゼミです。
研究室DATA
本田恵子 教授(教育学部 教育学科教育心理学 専修)
教育心理学演習I・II E
所在地:早稲田キャンパス 14号館925研究室
Work
昨年度のゼミでの活動
2020年度のゼミでは、カールロジャースによるクライエント中心療法や、フロイトによる精神分析、エリスによる認知行動療法といった諸理論を、グループ別のプレゼンテーションを通じて学びました。新型コロナウイルスの影響により、ゼミの活動は全てオンラインで行われました。そのため、zoomを活用してグループ毎に諸理論の文献探しやレポート作成などを分担して行い、プレゼンテーションをすることで学びを深めました。また、学びを深めた諸理論を元に、カウンセリングのロールプレイを行い、実践的に傾聴のスキルを学ぶこともできました。特に、傾聴のスキルに関してはカウンセリング場面だけでなく日常生活においても大いに役に立つスキルであると感じています。また、グループ活動を通じて自らのソーシャルスキルの向上にも取り組んでいます。
今年度のゼミでの活動
2021年度のゼミでは、心理教育的アセスメントに関する理論を学び、実践演習を行います。
前期は心理検査の視点から子どもの見立てを行う練習をしています。心理検査の仕組みを学び、実際に自分たちで検査を取り、データを分析して所見を書きます。扱う心理検査は、知能検査(WISC‐Ⅳ)や、描画テスト(バウムテスト・風景構成法)、PFスタディ、などです。子ども達の主訴(学習や適応における困り感)がどのような背景で生じているのかを客観的に理解するために行います。アセスメント結果を基に、子供たちがどうやって勉強したら良いかや、自分の性格や状態について知る手助けになるような所見や実際の学習教材の提案、ソーシャルスキルを育てる遊びなどを提案していきます。
単に理論や検査の取り方だけを学んで終わりというわけではなく、お互いに検査を取り合ったり、データ分析をしたりしますので、ゼミ以外でも検査器具やマニュアルのある711や心理の教材がある703の資料庫には入り浸って「どの参考書を読んだら分かるんだ?」「この子の記憶は一体どうなってるんだ?」「なぜ、そんなにルールや人付き合いが苦手なのだろう?」等、ワイワイと話し合いながら学びを深めています。後期は、「アンガーマネジメント」という社会性を育てる心理教育プログラムを、中学校に行って実践します。アンガーマネジメントについて簡単にご紹介します。アンガーな状態とは、いろいろな感情が入り混じっていて、「誰に」、「どんな気持ちが」、「どのくらいあるか」がわからなくなっている状態のことです。このような時に、イライラをため込んだり、間違った出し方をしないで言いたいことを適切に伝えられるようにするための、自分にあった方略を見つけるためのプログラムをアンガーマネジメントと言います。このプログラムを行うことで、子供たちが学校で過ごしやすくなったり、友達関係がうまくいったりすることを目指しています。
Recommend
このゼミを目指すキミに先生オススメの本
改訂版 包括的カウンセリングの理論と実践
本田恵子編著(金子書房)2019
キレにくい子どもを育てる。親子のアンガーマネージメント
本田 恵子(著/文|編集)、岩谷 由起(著/文)(講談社)2021