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受験生のための研究紹介

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日常生活のことばから言語と社会の関わりを読み解く

言語は私たちの社会生活にどのような影響を与えているのか。 また社会はどれくらい言語の形成に関わっているのか。
こうした観点から言語と社会の相互関係について研究するのが、社会言語学の領域です。なかでも私は言語景観(Linguistic Landscape)の調査研究を長く続けています。 言語景観とは公共の場にある書きことばを指し、標識や広告看板、地名表示、掲示物など、あらゆる文字が研究の対象となります。 約20年前に東京都心部でサンプル収集と分析をはじめ、多言語化の実態などを調べてきました。 東京オリンピックの前には、東京都や国の主導で多言語対応の取り組みが大きく進み、現在では日・英・中・韓の4言語にピクトグラムを加えた多言語表示も一般的になりました。
その一方で、「INFORMATION」の見出しは英語で、内容はすべて日本語の案内表示を目にすることもあります。 むしろ英語利用というよりも外来語の「インフォーメーション」をローマ字に書き戻した一例であり、外国人よりも日本人を意識した多言語表示といえます。 このように言語に着目して街を観察することで、その奥にある背景やパターン、傾向、言語に対する価値観などを読み取ることができます。 根っからの言語フリークである私にとって、探究したい題材は尽きません。
教育学部には人文科学・社会科学・自然科学を網羅する幅広い科目が設置されています。 その中で英語英文学科は、英語で行われる授業も多数あり、シェイクスピアの作品から最新のAI 活用まで、各分野の専門の教員から学ぶことができます。
英語や英語教育に関心がある人はもちろんのこと、将来国際的な仕事をしたいと考える人にもおすすめします。

Profile
バックハウス ペート BACKHAUS, Peter
教育学部 英語英文学科 教授

ドイツ・デュッセルドルフ大学修士課程修了、ドイツ・デュースブルク-エッセン大学現代日本研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
ドイツ日本研究所研究員、早稲田大学教育学部准教授を経て、2017年より現職。
専門は社会言語学。

※掲載情報は2024年度内の取材当時のものです。

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