「早稲田で演劇がしたい」その思いが背中を押してくれました
「古栗の木の古切口の古釘が…」「高崎の先の北高崎の嘉平さんに…」
稽古場には、聞きなれない言葉が飛び交っていた。彼女が所属する『劇団24区』は年に3回の本公演を行う演劇サークルだ。滑舌トレーニング、即興劇、台本や役についての話し合いなど、よりよい舞台を届けるため、日々稽古に励んでいる。
「小さい頃から、自分でお話をつくるのが好きでした。脚本づくりにも興味があって、中学、高校では演劇部に入ろうと決めていたのに、私が入部する前に廃部になってしまったんです(涙)」

「演劇といえば早稲田大学。そんなイメージがあって、中学生の頃から早稲田に憧れていました。周囲には国公立大学を薦める声もありましたが、それでも早稲田を諦めなかったのは、『早稲田で演劇がしたい』という気持ちがあったからだと思います。」
受験勉強の息抜きに実際にキャンパスを訪れてみたことも、モチベーションを保つ手助けとなったという。
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4月からスタートしたH.Nさんの大学生活。念願の演劇サークルでの活動について聞いてみた。
「新歓でのアットホームな空気に惹かれて即決でした。私が所属する『劇団24区』は20人ほどの比較的小さなサークルなんですが、その規模もいいなと思ったんです。」
「劇団24区」は大規模なサークルではないこともあり、衣装、脚本、大道具、そして当日の照明や音響に至るまですべてを自分たちで手掛けている。


「私たちの間では『小屋入り』と言っているのですが、公演の1週間前から会場にこもって朝から晩まで作業をします。先輩後輩関係なく、一丸となって舞台を創り上げます。暗幕を吊ったり大道具を設置したり…ほぼ筋トレです(笑)。すごく大変だけど、その分仲間との絆が深まっていい思い出になります。」


「誰もがスタッフで、誰もが演者になれる。それがこのサークルの魅力です。」
あだ名で呼び合うその距離感からも、学年を越えた仲の良さが伝わってくる。

そんなH.Nさんの将来の夢は編集者になること。
「小さな頃から本が大好きでした。文芸部や演劇サークルでの活動を通じて、物語を作りだすこと楽しさを実感したことで、編集者への憧れが強くなっていきました。」
現在は色彩検定の取得に向けて勉強中だそう。
「忙しかった高校時代とは違って、好きな分野の勉強をしたり、舞台を見に行ったり、自由に使える時間が増えたことが嬉しいです。いつかは脚本にも挑戦してみたい!」

「このインタビューが、進路について悩んでいる子にとって前向きになれるきっかけになったらいいなと思います。あと、少しでも演劇に興味を持ってくれたら嬉しいな(笑)」

ProfileH.N さん文化構想学部
※掲載情報は2025年の取材当時のものです。

















