早稲田に来てはじめて、岡山出身であることがアイデンティティーになった
「祖父が早稲田大学出身だったこともあり、上京する不安はありましたが、早稲田大学に進学することを決めました。」
彼女が通っていた高校から早稲田大学に進学する人は非常に珍しかったという。
「早稲田大学に進学することを決めてから、早稲田のこと、東京のことをいろいろ調べているうちに、不安はみるみるうちに消えていったんですけどね(笑)」

「入学したのが、ちょうど新型コロナウイルス感染症が流行った年だったので、入学式はなかったんです。それで、最初の半年間は地元の岡山からオンラインで授業を受けていました。友達ができるか不安はありましたが、当時、Twitter(現X)で募集していたサークルの新入生歓迎会などに参加しながら、最初はオンライン上で友達が増えていきました。」
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WASEDA

彼女の大学生生活は、思い描いていた東京での暮らしとは、かけ離れた生活から始まった。
しかし、だからこそ出会えた友達もたくさんいるという。

「上京後は、中野区にあるWISHという国際学生寮で生活していました。ようやく少し、早稲田大学を身近に感じ始めました(笑)近くに、中野セントラルパークという公園があるのですが、よくそこで友達とピクニックしていましたね。」
この公園には、早稲田大学の他に、2つの大学が隣接しているため、たくさんの“東京の大学生”を感じることができる。


彼女が描く将来とは。
「親が地元で自営業をやっていて、当然私も家業を継ぐと思っていました。でも、私が小学生の頃に父から家業を継がせることは考えていないと言われて。なんとなく頭の中にあった目標がなくなったような感覚になったんです。」
明確な目標を定めることができないまま上京した彼女は、早稲田大学でたくさんの人と出会い、たくさんの経験をすることになる。
同じく岡山から早稲田大学にやってきた同期や先輩たち。岡山以外の地域からきた人たち。東京で小さい頃から暮らしている人たち。
“私”と“私以外”、“岡山”と“岡山以外”にたくさん触れる中で特に感じたのは、地元と都会の情報格差だったという。
「東京にきたことで、岡山出身であることがアイデンティティーになったんです。もっと岡山のことを知ってほしい、何か岡山に還元できることはないか、そう強く思うようになっていきました。同時に、少し抽象的ですが、あらゆる情報の遅れ、格差を感じました。このギャップを埋めていきたい、という思いがだんだんと私の新たな目標になっていきました。」

「早稲田大学は全国からやってくる学生をつないでくれる場所。今度は私が全国と岡山をつなぐ番です!」

ProfileA.Y さん政治経済学部
※掲載情報は2025年の取材当時のものです。